Staffs社員紹介

四釜製作所 小笠原 翔也

自分の仕事に“満足”
できる日を目指して
地元で続ける
ものづくりの道

2016年⼊社/板金塗装グループ 溶接担当
小笠原 翔也さん
工場の扉を開けると、金属が焼けるようなにおいがふわっと広がります。
溶接機の音を響かせながら、黙々と作業を続けているのが小笠原さんです。
入社からもうすぐ10年。
「いいものを作るには、やっぱり汗を流さないといけないんです」と笑うその姿には、穏やかさの中に確かな職人の芯が感じられました。

偶然から始まった“ものづくり”の道

溶接の仕事を始めたきっかけを教えてください。

「最初に溶接を始めたのは前職の工場です。たまたま担当になったのがきっかけでした。
実際にやってみたら想像以上に奥が深くて、気づいたらもっと上手くなりたいと思うようになっていました。」

その後、地元で働ける会社を探していたときに四釜製作所の求人を紹介されたそうです。

「ちょうど溶接担当が1人分空いていたんです。なんとなくですが地元に貢献できたらと考えていて、これまでの経験を活かせるならいいなと思って入社しました。溶接に強いこだわりがあったわけではないんですが、手を動かして形にする仕事は自分に合っていたんだと思います。」

四釜製作所 小笠原 翔也さん

チームで支え合う、あたたかい現場

小笠原さんが所属する板金塗装グループは7名。
溶接担当はリーダーと2人体制ですが、小笠原さんを含めてメンバー全員が基本的な板金塗装の全般をこなせるようにしているそうです。

「誰かが休んでも他のメンバーでカバーできるようにしています。リーダーを中心に、少しずつそういう体制ができてきました。」

現場は一見すると静かですが、必要な時にはすぐに声を掛け合います。

「大きな部品を持つ時は“ちょっと手貸して”の一言で誰かが来てくれます。話す量は多くないですけど、みんな気が利く人ばかりで雰囲気はとても良いです。」

一人ひとりが自分の仕事に集中しながらも、自然と助け合える関係が根付いているようです。

試行錯誤の積み重ねで磨かれた工夫力

作業の中で工夫していることはありますか?

「効率を上げるために“治具(じぐ)”を自分で作っています。たとえば丸いパイプを扱う時は固定しておかないと転がってしまいます。なので端材を使ってその形にぴったりはまる型を作っておく。そうするとズレずに溶接できて、作業スピードも品質も安定します。」

最初のうちは時間がかかりますが、一度作ってしまえばその後の作業が格段にスムーズになるそう。

「自分で考えて作ったものが“これ便利だね”って言ってもらえると嬉しいですね。最近は他の部署から治具を頼まれることもあります。」

現場で生まれた小さな工夫が、品質やスピードの向上につながっているようです。
製品に合わせて自作した治具

“見える化”で誰もが使いやすい現場に

小笠原さんは、製品ごとの作業手順や注意点を記録・共有できるシートをエクセルで独自に作っています。

「『これどうやるんだっけ?』って毎回聞くのが大変で。毎日たくさんの作業をしているとどうしても細かいことは忘れてしまうんです(笑)。だから作業内容を記録しておけるようにして他の人も見られるように整理しておくと、みんなが助かるんです。」

このシートによってお互いの作業を中断せずに自己解決できるようになり、チーム全体の効率化に貢献できています。

「“あったらいいな”と思ったら自分で作ってみる。そういう自由さがあるのもこの会社のいいところだと思います。」

TIG溶接との出会い ―― 難しさの先にある達成感

入社後に新しく覚えた技術はありますか?

「TIG(ティグ)溶接です。前職では半自動溶接しかやっていなかったので、最初は全然勝手が違って戸惑いました。半自動はスピード重視で火花も多いですが、TIGは静かで仕上がりがすごくきれいなんです。その分スピードは遅いし、習得するまでが大変ですね。」

TIG溶接は安全性が高く多種多様な金属を溶接できる半面、作業者の熟練度で仕上がりが大きく変わってきてしまいます。

「ある程度習得するまでは何度失敗したかわかりません。でもやればやっただけ上手くなっていく実感があるのが嬉しいです。ロボットが引いたビード(溶接の筋)は真っすぐで本当に綺麗なんですよ。“人の手でもここまでできる”って言えるようになりたいです。」

ひとつひとつの溶接に集中しながら、理想に近づけていく日々が続いています。
四釜製作所 小笠原 翔也さん

育休を通して感じた、仲間の支えと働きやすさ

小笠原さんはこれまでに2回の育児休暇を取得しています。

「最初は1か月、2回目は双子だったので1か月半取りました。休んでいる間は他のメンバーが自分の仕事をカバーしてくれました。男性の育休も少しずつ増えていて、会社としても柔軟に対応してくれていると思います。」

休日は子ども中心の生活。

「双子なので、家にいる間は目が離せないですね(笑)。でも妻が実家に帰っている時などに少し一人の時間をもらって映画を見たりしています。」

仕事も家庭も大切にできる環境があるからこそ、安心して長く働けているようです。

“満足しない職人”であり続けたい

「まだ“完璧だ”と思えたことはないですね。 前職で40年働いていた先輩が“まだ満足した溶接ができていない”と言っていたんです。 その言葉がずっと心に残っていて、自分もそうありたいと思います。」

暑さや寒さの厳しい中でも、日々の作業を丁寧に積み重ねる。

「たまに“今日は良くできたな”と思える日もありますが、次の日にはまた課題が見えてきます。そうやって少しずつ成長していく感じが、自分には合っていると思います。」

四釜製作所 小笠原 翔也さん

未来の仲間へ

「一度やってみてからでも何度でもやり直せるので、まずは一歩踏み出してみてほしいです。 やる気と根性があれば、経験がなくてもきっと続けられると思います。汗を流した分だけ、自分の手で作ったものに誇りを持てます。千里の道も一歩からです!」

ある日の小笠原さん

07:50 出勤
08:00 ラジオ体操
08:05 製品の納品確認をして1日の作業の予定を立てる。
必要に応じてリーダーと作業内容の打ち合わせ。
08:10 午前の作業開始
12:00 お昼休憩
13:00 午後の作業開始
16:45 使った道具の片付け。
現場と身の回りを清掃。
17:00 1日の作業終了。
必要に応じて残業がある日は10分休憩。
17:15 退勤

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板金・製缶加工部門<span>Sheet metal fabrication</span>

板金・製缶加工部門Sheet metal fabrication